LINE公式アカウントを作るとき、意外と悩むのがリッチメニューです。リッチメニューとは、LINEのトーク画面の下に表示される、ボタンが並んだメニューのことです。予約、メニュー表、クーポン、アクセス、問い合わせなどに、お客さんがタップだけでたどり着ける便利な入口です。
ただ、ここでよく起きるのが、「せっかくだから、あれもこれも載せたい」という状態です。
気持ちはとても分かります。せっかく作るなら、予約も載せたい。メニューも載せたい。Instagramも見てほしい。お知らせも載せたい。お問い合わせも置きたい。でも実は、詰め込みすぎたリッチメニューは、かえって使われにくくなります。
この記事では、リッチメニューに何を載せるべきか、何を外した方がいいかを、できるだけシンプルに整理します。
リッチメニューの役割は「全部見せること」ではない
まず大事なのは、リッチメニューの役割です。リッチメニューは、お店の情報を全部並べる場所ではありません。
お客さんが、「予約したい」「メニューを見たい」「場所を確認したい」「営業時間を知りたい」と思ったときに、迷わず目的地まで行けるようにするための入口です。
つまり、リッチメニューは掲示板ではなく、案内板に近いものです。案内板に情報が多すぎると、かえって分かりにくくなります。お客さんがパッと見たときに、「これを押せばいいんだな」と分かることが大事です。
なぜ「全部載せ」は逆効果なのか
理由はシンプルです。選択肢が多いほど、人は迷うからです。
ボタンがたくさん並んでいると、一見便利そうに見えます。でも実際には、お客さんの頭の中で、「どれを押せばいいんだろう」「予約はどこ?」「問い合わせと相談って何が違うの?」という迷いが生まれます。
そして、人は迷うと何も押さずに閉じてしまうことがあります。リッチメニューで大事なのは、情報量の多さではありません。お客さんがしたいことに、できるだけ少ない迷いでたどり着けることです。
よくある形は「6分割」
LINEのリッチメニューでよく使われるのは、6つのボタンに分ける形です。つまり、載せられる項目は多くても6つくらいです。
この6枠に何を入れるか。ここをしっかり選ばないと、使われるメニューにはなりません。「載せたいもの」ではなく、「使われるもの」を選ぶ。これがリッチメニュー作りの基本です。
載せていい項目は「お客さんがよく使うもの」
判断基準はシンプルです。お店側が見せたいものではなく、お客さんがよく使うものを優先します。具体的には、次のような項目です。
予約・申し込み
来店や相談につながる一番大事な入口です。お客さんが「行ってみようかな」「予約しようかな」と思ったときに、すぐ動ける導線は優先度が高いです。予約ボタンが見つかりにくいと、それだけで機会を逃してしまうことがあります。
メニュー・サービス内容
飲食店ならメニュー表。美容室や整体なら施術メニュー。相談業ならサービス内容や料金案内。「何をお願いできるのか」を確認する場所です。
お客さんは、問い合わせる前にまず自分で情報を見たいことが多いです。そのため、メニューやサービス内容への入口は残しておく価値があります。
アクセス・営業時間
地味ですが、とても大事です。「今日やってる?」「何時まで?」「場所はどこ?」これは来店前によく確認される情報です。
ここが分かりにくいと、電話やDMで同じ質問が増えます。アクセスや営業時間をリッチメニューに置いておくと、お客さんも助かりますし、お店側の対応も少し楽になります。
クーポン・特典
クーポンや特典は、来店のきっかけになることがあります。ただし、常に出しておくべきかはお店によります。よく使われる特典があるなら載せる価値がありますが、形だけのクーポンなら優先度は下がります。「お客さんが実際に使うか」を基準に考えるのが大事です。
お問い合わせ
予約とは別に、相談や質問が多いお店なら、お問い合わせの入口も役立ちます。ただし、「予約」と「お問い合わせ」と「相談」が似た意味で並んでいると、お客さんが迷います。
その場合は、「予約・相談」「お問い合わせ」のように、役割を分けるか、まとめるかを整理した方が分かりやすくなります。
外した方がいい項目は「使われないのに枠を取るもの」
逆に、つい載せたくなるけれど、リッチメニューからは外した方がいい項目もあります。
会社概要・自己紹介
大事な情報ではあります。ただ、お客さんが何度もタップするものではありません。一度見れば終わる情報は、リッチメニューの貴重な枠を使う優先度は低めです。必要ならホームページやプロフィールページの中に置いておけば十分です。
SNSリンクをいくつも並べる
Instagram、X、YouTube、TikTok。全部載せたくなる気持ちは分かります。でも、SNSリンクをたくさん並べると、メニュー全体の目的がぼやけます。
載せるなら、今いちばん見てほしいものを1つに絞るのがおすすめです。「SNS一覧」よりも、「Instagramを見る」など、目的がはっきりしている方が押されやすくなります。
めったに使わない機能
「あったら便利かも」くらいの項目は、たいてい使われません。月に数回も押されないボタンなら、その枠はもっとよく使う項目に使った方がいいです。リッチメニューは限られた場所です。使われないボタンを置くほど、よく使うボタンが見つかりにくくなります。
似たような項目の重複
たとえば、予約/申し込み/ご相談/お問い合わせのように、似た言葉が複数並んでいると、お客さんは迷います。お店側では違いがあるつもりでも、お客さんから見ると分かりにくいことがあります。似た役割のボタンは、できるだけまとめる。これだけでも、かなり見やすくなります。
迷ったときの3つの判断基準
「これは載せるべきか、外すべきか」で迷ったら、次の3つで考えると整理しやすくなります。
1.お客さんは何度も使うか
一度見たら終わりの情報より、何度も確認する情報を優先します。予約、営業時間、メニューなどは繰り返し使われやすい項目です。
2.お客さんの行動につながるか
予約する。来店する。問い合わせる。申し込む。こうした行動につながるボタンは優先度が高いです。リッチメニューは、見てもらうためだけではなく、次の行動につなげるための入口でもあります。
3.これがないと問い合わせが増えるか
営業時間、場所、料金、予約方法などは、分かりにくいと問い合わせが増えます。毎回同じ質問に対応しているなら、その情報はリッチメニューに置く候補です。お客さんのためにも、お店側の負担を減らすためにも、よく聞かれる情報は分かりやすい場所に置いておくと便利です。
まずは4〜6個で始める
最初から完璧なリッチメニューを作る必要はありません。おすすめは、本当に必要な項目だけを4〜6個に絞って始めることです。たとえば、小さなお店なら、
- 予約
- メニュー
- アクセス
- 営業時間
- お問い合わせ
このくらいでも十分です。むしろ、最初から詰め込みすぎない方が、お客さんには分かりやすくなります。
運用していく中で、「このボタンはあまり使われていない」「この情報への問い合わせが多い」「予約導線をもっと目立たせたい」と気づいたら、あとから入れ替えれば大丈夫です。リッチメニューは一度作って終わりではなく、使いながら整えていくものです。
まとめ
リッチメニューは、お店の情報を全部見せる場所ではありません。お客さんが目的の場所に迷わずたどり着くための案内板です。だからこそ、「何を載せるか」と同じくらい、「何を載せないか」が大事になります。
基本の考え方はシンプルです。お客さんが何度も使うもの。予約や来店につながるもの。ないと問い合わせが増えるもの。この3つに当てはまるものから優先して載せると、使いやすいリッチメニューになります。
逆に、会社概要、SNSリンクの並べすぎ、めったに使わない機能、似た項目の重複は、思い切って外しても大丈夫です。リッチメニューは、作り込むことよりも、分かりやすくすることが大切です。
「お店が見せたいもの」ではなく、「お客さんが探しているもの」を置く。この視点で整理すると、LINE公式アカウントはただの集客ツールではなく、予約や問い合わせをスムーズにする業務整理の道具になります。
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